144Labのメカトロソフトエンジニアの入江田です。
2019年6月12日にInsightSiPのPresidentであるNick Wood氏による 「InsightSiPデバイスセミナー」 を弊社会議室にて開催しました。
私を含め弊社の技術・営業およびInsightSiPのデバイスに関心のある数社のメンバーを招きまして合計10人強が参加しました。
Nick氏には午前はセールス向けの情報、午後は新製品を含めテクニカルな情報に関してプレゼンテーションをしていただきました。
InsightSiPのデバイスの特徴
- 10年前、世界で初めてBLEデバイスをSiPにして出荷した
- SiP=ウェハーレベルで複数素子をチップサイズにパッケージした構造
- 10年前のこのデバイスは未だに購入することができる
- 高品質を保ちつつ製品寿命を重視した製品戦略
- 立体的にモールドした中に発振器やアンテナなどを内包した構造
- 外付けのパーツをほとんど必要としない(オプショナルな機能を使うときだけ)
- 立体的なアンテナ構造の最適化によりRF特性に指向性偏りが少ない
- ほぼすべてのラインナップにnordicコアチップを採用している
- 標準的な値付けで競合と比較しても高くはないし、周辺部品が不要なのでトータルコストは抑えられる
- 日本向けにおいても積極的にTELEC認証とパッケージに表示をする方針
なぜnordicなの?
- nordicは長い製品寿命のBLE/ANT+統合型SoCをInsightSiPを含むいくつかのサードパーティの会社に提供している
- サードパーティ含めBLE分野で50%以上のシェアを握っている
- nordicが最近のnRFシリーズに採用しているARMのCortex M4Fコアアーキテクチャは性能バランスがこの適用分野にマッチしている
その他
- 新製品群の解説
- BLEと旧Bluetoothが別物という話
- BLEデバイスの省電力運用のコツ
- Bluetooth5.1
- メッシュ技術の比較
- BLE-Mesh
- Zigbee
- Thread
- ANT+
- BT5.1のAoA、AoDの話
- カスタムパッケージも作るよ!
というようなお話でした。 一部の製品のデモなどもあり、やはり実際に動くものをみるとみなさん声を上げて盛り上がっていました。
感想
個人的に思うnordicのnRFシリーズの良さ
- BLEかANTが必要ならnordicというくらい定番
- SoCとsoftdeviceの分担型の機能提供により製品寿命が長い
- Bluetooth規格のバージョンはどんどん更新されていくが、デバイスを変更することなくsoftdeviceファームの更新である程度追従できる
- softdeviceによりファームウェア・ミドルウェア開発者が容易にフルフィーチャーを引き出しやすく、後継製品になってもコンパチビリティが高い
- nRFシリーズにはLoRa統合やLTE-M統合などの製品群も次々に投入されている
- SoCベンダがsoftdeviceをリリースして同じフィーチャーは同じ使い方で良いという状態を維持し続けているのが素晴らしい
というような有能なコアを周辺必須部品と一緒にパッケージしてくれているInsightSiPのiSPシリーズのデバイスは日本の法律に適合してるし、ハード設計者も楽だし、ファームウェア開発者も楽ができる良いデバイスだなぁと思いました。
そして、今後同じファームウェアのノウハウ+アルファでLoRaやNB-IoT方面に対応したアプリケーション開発も可能になるのは嬉しいですね。