うんこボタンの故障問題

うんこボタンをご利用いただいているお客様には大変ご不便をおかけしております。 現在、うんこボタンの不具合の修正に取り組んでいます144Labの入江田です。

昇圧型のDC-DC電源の出力段(*)に入れてしまってた電解コンデンサに 特定の条件下で通常の電圧を超える電荷をためてしまい、 それがマイコンモジュールを破壊する恐れがあることがわかりました。

電池(2.2~3.2V)--->DC-DC(3.3V)---(*)---->負荷(マイコンモジュール他)

消費電力変動の激しいWi-Fi内蔵マイコンモジュールを安定動作するために 大容量の電解コンデンサを電源ラインに念のために入れるのは古くからの常識でしたが、 昨今のDC-DC電源は追従性能が高速化しており、電源と負荷の間に内部抵抗の高い電解コンデンサを加えると追従性能を逆に悪化させることになるという真逆の注意事項があることに気づけませんでした。

DC-DC周辺設計に精通しているスタッフの指摘によりこの電解コンデンサを外してみたところ、問題の発生頻度は極端に下がることがわかりました。

DC-DC周辺の再設計のために問題の再現条件を洗い出し中なのですが、 電解コンデンサがある場合、一定負荷を加えた状態で通電した瞬間にマイコンモジュールの定格を超えるほどの高電圧が発生していることが観測できました。

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6V近い電圧を供給してしまっている様子

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同じ条件でコンデンサを取り除いたものを観測した場合

想定している動作範囲での安定性はかなり向上することがわかりましたが、 いまだピンポイントな入力電圧にて発振する現象が発生するようで、 より安定した電源回路への改修を行う予定です。